もくじ
みんな大好きお金の話
どうもキラ(@KOH_KIRA)です。
今回は、みんな大好き、お金の話。
世界中を旅して、日本がキャッシュレスになりにくい理由がなんとなく分かった気がするので、それについて書きます。
「キャッシュレス」「電子マネー」とは?
日本でも、キャッシュレスの波がぼちぼち来てますね。
「キャッシュレス」とは「モノとしての”現金”を使わずにお金をやりとりする」ことの総称です。
手形やクレジットカード、オンラインバンクでの送金などなど、とにかくモノとしてのお金を使わずに取引をすることですね。
もともと、上記のような手形やクレカやオンラインバンクでの取引はもちろんあったのですが、
近年、スマホの普及やITサービスの台頭、そして近日だと(ビットコインのような)仮想通貨の普及で、
世界中でさらに本格的に、キャッシュレス化の波が来ているワケです。
メタップス創業者、佐藤航陽氏の本「お金2.0」も、ベストセラーになりましたね。
「日本はキャッシュレス化が遅れている」
この「キャッシュレス」化の話題になると必ず出るのが「日本はキャッシュレス化が遅れている」という意見です。
例えば、実業家の堀江貴文さんも、このようにツイートしています。
ホリエモン、“現金主義”の日本に苦言「100%キャッシュレスな社会が理想」 https://t.co/Cq7E953kII
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年3月13日
彼が言う「お金とは”信用”を数値化したもの」という意見には僕も賛成していて、
お金の歴史や本来の機能を考えれば、現金を伴わない「キャッシュレス化」は、お金の最も純粋で本質的な形だと思います。
そういう意味で僕も、今のキャッシュレス化の流れはとても興味深いな、と感じながら見ています。
キャッシュレスは「善」なのか
ここで、そもそも「キャッシュレスは善なのか」ということについて改めて考えてみますが、
僕は個人的には、良いことなんじゃないかと考えています。
理由は、
- 政府による、通貨の発行や流通における管理コストが著しく下がるため
- 企業や個人の用途不明金や脱税が無くなるため
- 通貨の流動性が高まって経済が活性化しやすくなるため
- 物理的な現金強奪などの犯罪が防げるため
- 保有や使用における煩わしさが無くなる(荷物が減るw)ため
- 海外や遠方との取引スピードや規模が拡大しやすくなるため
などです。
キャッシュレス化の遅れは国際競争力の低下につながる
ヨーロッパやアジアの先進的な国の幾つかは、既に自国発行通貨を電子マネーのみにすることを検討しているそうです。
経済の流動性やスピードが高まっている現在の世界で、キャッシュレス化が遅れることは、日本の(相対的な)国際競争力の低下にも繋がってしまいます。
そんな興味を持ちながら、今のタイミングで世界一周の旅で多くの国を渡ってみたことで、
「日本のキャッシュレス化が遅れている理由」もなんとなく分かった気がするので、それをここに書いてみるワケです。
結論「日本は現金が優秀すぎる」
結論から書くと
「日本が諸外国に比べてキャッシュレス化が遅れている原因は、(貨幣を含む)日本のインフラの優秀さと日本人の現金信仰のせい」
ということです。
今回は、歴史背景やデータなどではなく、体験から感じた話をします。
外国は現金がウザい
いろんな国を渡っていると、やはり小さいストレスが沢山あります。
その中でけっこう面倒なのが「現金について」なんです。
詳しく書いていきます。
貨幣の質が低い
先進国含め、けっこう多くの国では、貨幣の質が低いんですね。
東南アジアでは、クシャクシャのお札を渡されることが、かなりあります。
インドやカンボジアでは、ピン札なんてほとんどお目にかかれません。
途上国の場合などは、銀行が通貨を新しくするスピードが十分でないことや、
あとは、その国に住む人のお金の使い方などが、お金がクシャクシャになる原因でしょう。
例えば、日本人はお金を綺麗な財布に入れて大切に扱いますが、諸外国ではお札もコインもポケットに入れっぱなし、という人は多いです。
お釣りで渡された貨幣が汚れすぎていると、お店で利用できなかったり、帰国前に両替を断られたりもザラですw
旅に慣れてからは、汚いお金を返されたら「キレイなのにしてくれ!」と訴えられるようになりました(笑)
そんなワケで、諸外国と比べると日本の貨幣は綺麗で、質も常に高い状態に保たれていると言っていいでしょう。
貨幣の種類が多い
なんかね、小銭の種類が多くて統一感が無い、という国も多いんですよ。
例えばイギリス。1£(ポンド)硬貨の裏面の絵柄は、僕が数えただけでも12種類ありました。
そして、ペニー硬貨も、なんかいろんな種類が…。
1ペニー、5ペニー、10ペニー、20ペニー、50ペニー、1ポンド、2ポンド、と、一見種類は少なそうですが、
20ペニー硬貨の種類もなんか種類が沢山…、という感じです。わかりにくいんじゃ!
イギリスもユーロに統一しろや!と何度も思いました。もうEU脱退して遅いけど(笑)
しかしユーロも、1ユーロと50セントがよく似ていて間違えやすいですね。
すべて、厚めの金色のコインです。
もちろんこれは極端な例ですが、それと比較すると、日本の貨幣の数は少なく、色や大きさが違ったり穴が空いていたりするので、
見た目も分かりやすい気がします。
もちろんこれは、日本人としての偏見や主観たっぷりですが。
しいて言うなら、紙幣の色がほぼ同じなのがわかりにくい、というくらいでしょうか。
そんなワケで、諸外国と比べると日本の貨幣は種類も少なく、見分けもつきやすいです。
新旧貨幣がごっちゃの場合も
さらには、貨幣の「質」と「種類」両方の問題なんですが、古い貨幣の更新がちゃんとされていなくて、新旧いろんな貨幣が混ざってしまってる国すらあります。
これは、日本で例えるなら、野口英世と夏目漱石の1000円、新渡戸稲造と樋口一葉の5000円、新旧500円玉や、果ては2000円札や記念硬貨などがごちゃごちゃと流通している、という状態です。あり得ないでしょ?
でも実は、そんな感じになっている国の方も、けっこう多いんです。
よその国の小銭が混ざる
さらにさらに。
よその国のお金がいつのまにか混ざってる、ということも時々あります。
僕の場合、
タイでは、マレーシアの硬貨がまざっていたし、
イギリスでは、ユーロの小銭が混ざっていたりしました(笑)
その国の硬貨に慣れていないので、パッと見じゃ分からないんですよね。
自動販売機がポンコツ
小銭自体が、こんな感じでごちゃごちゃしてるので、自動販売機も大変です。
駅で切符を買う時でも、読み取らない硬貨が沢山あります。
日本では、10円が使えない自動販売機なんて探すほうが難しいですが、
日本以外だと「この自販機は1ユーロ硬貨以外は使えないよ」なんて仕様もザラですw
そんなワケで、現金を使うのが大変なストレスになる国は、けっこうあります。
しかしクレカが使える!
しかーし!そのせいもあってか。
そういう「現金が面倒くさい国」では大抵、クレカがめちゃめちゃ使えるんです。
もちろん、インフラがある程度整備されている国の話ですが、あらゆる公共交通機関、お店、自動販売機で、クレジットカード、デビットカードが使えます。
例えばヨーロッパの場合、ロンドンやパリは、スーパーも基本的に自動レジで、クレジットカード決済もサクサクできるようになっています。
アメリカではクレカ履歴が信用に直結
あとは、アメリカ等の場合、クレジットカードの利用と支払履歴がそのまま個人の信用情報として適用され、ローンを組んだり借り入れをするのになどに必須です。
日本のように、勤め先や保証人ではなく、クレカ利用情報が、個人の信用度を大きく左右するのです。
なので、ほぼすべてのアメリカ人は、若い頃からクレジットカードを利用して、信用情報をコツコツ作っています。
このように「便利だから」という理由以外で、キャッシュレスが一般化している国もあるわけです。
日本は現金が優秀
対して、日本。
上で述べたような「現金の煩わしさ」が、かなり少ないといえます。
日本語と同じく、日本にいて日本円が使えない状況などまずありません。
全ての硬貨、紙幣が、あらゆるお店、販売機などでキッチリと使えます。
つまり、現金がとにかく優秀なのです。
日本人の現金信仰
日本人の、現金に対する信用は、諸外国と比べてかなり強いと言えます。
もはや、信用というより「信仰」と言ってもいいかもしれません。
恐らくは、上で述べた理由の他にも、現金を持ち歩いていても盗まれたりしない治安の良さや、
クレジットカードやネットバンキングに親しみの無い年配層の割合など、様々な理由があると思います。
多くの理由が合わさって、日本人は、現金に対する信仰をかなり強く持っています。
現金が優秀↔さらなる現金信仰、の悪(?)循環
そして、現金が優秀で不便が少ないことが、さらにその「現金信仰」を加速させて、
さらに現金がありがたがられるようになる、という悪(?)循環が起こっているようです。
合理性や利便性よりも文化や慣習、精神性を優先するのは日本人の良いところでもあると思うのですが、
結果として、国全体が競争力を失い、貧しくなってしまわないか、ということは危惧してしまいますね。
僕はキャッシュレスにしました
日本とか世界とか競争力とか、ちょっと大きな一般論について書きましたが、じゃあお前はどうなんだ、と。
僕個人としては、今後はがっつりキャッシュレス化していきます。
少し前は「別にどっちでもえーやん」と思っているクチでしたが、旅の頻度と行動範囲が増えるにつけて、現金によるストレスや損が大きくなってきたので。
実は、「旅人」は、キャッシュレス化の恩恵を最も受けやすい人種の一つなんですよね。
いろんな国を訪れても、国ごとに異なる、上記のような現金の煩わしさにイラつくこともないし、出入国時の小銭のロスも無くなるので。
そんなワケで、世界中を旅する現在は、現金は緊急時用の最小限の保有にとどめています。
支払いは基本的にキャッシュカードと電子マネーです。
移行して日は浅いですが、かなり快適だと感じています。
まとめ
そんなワケで、全体をまとめると、
「世界的にキャッシュレス化の波が来ているが、日本は移行が遅い。
遅い原因は、日本の現金の優秀さをベースとした”信仰”があるようだ。
個人的には、キャッシュレスの恩恵を受けることが多いので、ガンガン移行していきたい」
という感じでした。
追記:中国のキャッシュレス社会を実際に見てきた記事も書きました。
日本と何が違うのか?中国深セン・上海でキャッシュレスが浸透している9つの理由
旅人による、広い世界の視点から見た、お金の話でした。
ひとつのテーマでも、いろんな国から角度を変えて見てみると、色々分かって楽しいワケです。
それでは今日はこのへんで。
明日も、良い人生と良い旅を。
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